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【認知症は早期発見が重要!予防&改善に最適な「知的行動+運動」について】
認知症とは脳の神経細胞が減少し脳が萎縮してしまい、記憶力・判断力の低下・うつ等の様々な症状を引き起こす病気です
2012年の認知症患者数は約462万人、2025年には700万人を超えるとも言われ、65歳以上の5人に1人が認知症という時代が迫っています
「車庫入れがなかなか上手く入れられない」
「メガネなど少し前に置いた物の場所がわからない」
「地図が上手く読めずに目的地になかなかたどり着けない」
これらは認知症の予備軍になると最初に現れやすい現象と言われています
認知症は1度発症すると完治は不可能・難しいと言われています
しかし認知症になる「ある段階」で発見することができれば発症を防げる可能性があると東京医科歯科大学の特任教授メモリークリニックお茶の水院長の朝田先生は指摘します
朝田先生いわく、認知症の前段階である軽度認知障害「MCI」の時点で発見し対処すれば進行を食い止めたり症状を改善することもできるそうです
認知症にはなっていないものの認知機能が衰え始めている状態「MCI」は認知症予備軍とも言えます
MCIを放置すると5年間で約半数が認知症を発症するとも言われていますが、逆に早期発見し対処すれば認知症の発症を防ぐことが可能なんです
・【2つのテストでMCIかどうかをチェック!】
MCIを早期発見するポイントは脳が持つ2つの力「脳の注意力」「視空間認知力」がどれくらいあるのかを知ることが重要です
まずは1つ目のテストで「脳の注意力」を調べます
やり方は動物や筆記用具、昆虫などが書かれたイラストを10秒見て何が書かれていたかを覚えるというもの。そして描かれていた動物を書き出し正解数3つ以上が基準値以上というものでした
描かれていたのは「牛、ライオン、キリン、パンダ、象、豚」動物以外には「バラ、トラック、人参、サッカーボール、ハサミ、バッタ」でした
最初に動物を覚えてくださいではなく、質問がわからない状態でイラストを見せられて動物は何がいたかを答えるというテストなのでなかなか難しかったようです
40~70代の芸能人6人が挑戦した結果、70代の男性が2個だけと基準値以下。4個正解が3人、5個正解が2人というものでした
このテストでわかる脳の注意力。様々な刺激や情報に幅広く集中する能力をみれるそうです
認知機能の低下は注意力からはじまることが多いとのこと
「自宅で1階から2階へ行って用事を忘れてしまう」
「鍋を火にかけているのを他の用事で忘れてしまう」
などすぐ忘れるのは注意力が落ちているからとのことでした
そして2つ目のテストでは「視空間認知力」を調べます
視空間認知力は物の距離感や奥行、自分と周りの空間の位置関係などを正しく認識する能力です
この力が衰えると
「車と物の距離感がつかめず車庫入れが上手く出来ない」
「地図が読めなくなる」
「階段の上り下りで段差を測りかねてつまづいてしまう」
「避けたつもりが人とぶつかる」
などが増えるそうです
認知症には様々な前兆があるのですが、特に多いのが視空間認知力の低下です。頭のナビをする能力、距離感を測る能力が落ちてしまうのですね
そこで番組では視空間認知力があるかを知るためのテスト「道筋たどりテスト」を紹介していました
四角いマス目を道順通りにゴールまでスムーズにたどれるか?というもの。視空間認知力が衰えていると地図上の位置と自分の現在地を上手く照合できなくなって道順を間違えたり、立ち止まって考えてしまうとのこと
家庭でやる際には座布団や新聞紙を4つ用意してマス目にして、その間をたどるようにしましょう
地図も自分で作ります。まず正方形を書いてその中に十字を書きます
そのあとに1~12までの道順を番号付きで書きます。この時に左右バラバラにしていくのがポイントです
12回を右折左折を繰り返して間違えずにゴールまで行けばクリアです
芸能人の男女40~70代でクリアできたのは50代の男女2人だけでした。かなり難しいようですね
・【注意力と視空間認知力をアップさせる「デュアルタスク」とは?】
認知症を予防するための2つのテスト。注意力と視空間認知力が低下しているかをチェックできたのは良いですが1度下がってしまった2つの能力を上げることはできないのでしょうか?
朝田先生は注意力と視空間認知力は「デュアルタスク」で強化できると語っていました
デュアルタスクとは「計算する」「川柳を詠む」など頭を使いながらウォーキングをすることです
知的行動と運動を同時に行うことにより頭頂葉・前頭葉の認知機能の改善につながるとのことでした
MCIの認知症予備軍のうちに対処すれば約20%の人は認知機能が戻るというデータもあるので、ぜひデュアルタスクで認知症の予防をするようにしましょう