テレビで紹介された健康・美容のまとめ

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【みんなの家庭の医学】決まった時間に発熱と全身の痛みが出る原因不明の難病 細かい症状を伝える必要があると確信するエピソード

2016年3月22日に放送された「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」にて

決まった時間に発熱して全身が痛み出す難病!「原因不明」と診断され続けた女性の病気は問診によるある一言で判明したというエピソードを紹介していました

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総合診療科というのをご存知ですか?専門分野の壁を取り払って総合的に病を診断していく新しい診療科です。幅広い知識と経験を武器に病の可能性を探っていくのです

大阪府高槻市にある大阪医科大学附属病院の総合診療科の鈴木富雄先生。総合診療の礎を築き上げた名医です

総合診療医として20年以上も原因不明の病の正体を解析し続けた鈴木先生

問診と触診を重要視して、温度・痛み・皮膚・柔らかさとじっくりと時間をかけて診察してきたそうです

微に入り細に入る診察で本当の病を調べる診療がモットーの鈴木先生、そんな先生に今回は決まった時間に襲う発熱に苦しむ病という難病を読み解いてもらっていました

【医者にもわからない「決まった時間に発熱と全身の痛みが起こる難病」の正体・・・】

 

 

番組に相談してきたのは46歳の女性。2014年の7月から熱があがったり下がったりして、その原因が病院へ行ってもわからないとのこと。原因不明の発熱に1年半以上も悩み続けた女性の病の正体をどのように鈴木先生はあぶり出すのでしょうか?

 

1年半以上も前から断続的な38℃以上の原因不明の発熱に悩まされている女性

発熱だけでなく腕の脇や足の脇辺りが誰かにギューっととつかまれているような痛みもでるとのこと。しかし病院へ行っても熱も痛みも原因は分からずじまいでした

 

 

発熱と痛みの始まりは女性が44歳の頃で写真店で働いていた2年前の夏のことでした。特にストレスを感じることもなく客とも上手く接していたそうです

その日の午後のこと、外の気温は30度に達しようというのに急に寒気が襲ってきたのです・・・

店内で寒いと感じるのは自分だけ・・・「もしかして風邪をひいたのか?」と思い熱をを測ってみると38度5分の高熱がありました

普段は熱を出すことのない女性は大事を取って仕事を早退して近くの内科を受診することにします

 

医師が診断したのは夏風邪からくる発熱でした。抗生物質と解熱鎮痛剤が処方されてその日は帰宅

「これですぐに治るだろう」と安心した女性ですが実はこの発熱が2年にも渡って女性を苦しませる病の始まりだったのです

 

 

・【ただの風邪だと思っていたのに発熱と痛みが治らない・・・】

 

処方された薬を飲み早めに休んだ女性。しかしその日の夜中の12時過ぎに腕と足に無数の針で刺されているような痛みが走りました

さらに熱を測ると39度2分の高熱が・・・ 解熱剤を飲んでいるにも関わらず昼よりも熱が上がってしまったのです。とにかく熱を下げるために休むしかないと女性は耐えて眠ることに集中したそうです

 

翌日になって目を覚ますと腕や足のチクチクする痛みもなくなり平熱に戻っていました

ひとまずは安心して仕事に行く頃に。しかし調子がよかったのは 束の間で午後を過ぎる頃には昨日のように背筋が続々とするような寒気が・・・・

熱を測ると37度8分の発熱。前日同様に早めに休みましたが、夜の12時過ぎにまた両腕と両足に痛みが。 熱も同様に39度4分と昨日よりも高い熱が出ていました

 

その後も朝は症状がないのに午後になると38度台の発熱が起こり夜中には39度台の熱と痛みに襲われるという症状が数日続きました

最初の高熱から1週間、耐えかねた女性は自宅近くで一番大きな総合病院へ行きます

熱によって体の節々が痛むことがあると考えた医師は高熱の原因を探るために血液検査、胸のレントゲンとCT撮影などと一通りの詳しい検査を実施

肺炎の症状もなく血液検査で少しだけ炎症反応が出ていたので何らかのウイルス感染による夏風邪という診断されます

ウイルスに感染したことで夏風邪を発症、高熱や腕、足の痛みが起こっていると医師は診断したのです

 

 

・【どの病院へ行っても「原因不明」】

 

早速 医師から処方された抗生物質と解熱鎮痛剤を処方されました、しかしその夜にまた両腕と両足に痛みが出て39度を超す高熱も出ました

この不思議な発熱のサイクルはずっと変わらないまま・・・最初の症状が2週間も過ぎました

しかし2週間後に女性の体にある変化が・・・ その日の午後になりまた症状が出るかもと恐る恐る体温を測ると昨日までのことが嘘のように熱が上がっていなかったのです

そして夜中の12時を過ぎても異変は現れないまま。その日を境に発熱と痛みはピタリと止まりました

 

それからしばらくは元気な状態が続き、辛い症状のことを忘れかけていた3か月後の10月下旬のある午後にまた寒気が・・・体温を測ってみると37度8分の発熱がありました

そしてまた夜になると体の痛みと高熱が起きるというサイクルが戻って来てしまったのです

それからは辛い症状が1~2週間続く時期があって症状がない時期が2ヶ月ほどあるというサイクルに悩ませられることになります

 

何としても発熱の原因を知りたいと神経内科、腎臓内科など様々な診療科を受診した女性

しかし「特に異常はない」と言われて同じ処方をされるだけで原因はわからないまま

この原因不明の症状にずっと付き合っていくしかないのか・・・そう諦めかけていた女性が番組に悩みを打ち明けて今回 総合診療の礎を築き上げた名医に診察してもらうことになったのです

 

 

 

・【名医の問診と触診で原因不明の病の正体を暴く!】

 

2015年12月に診察をすることになった女性。鈴木先生は女性をいつも通りにじっくりと問診。発熱が起こったことを時系列に沿って整理します

女性の発熱は1週間続くこともあれば1日で終わることもありバラバラ・・・必ず全身に痛みが起こることを確認して触診に移ります

指の関節や手首、肘、リンパ節と関節の痛みや腫れを確認していきました

触診で関節に違和感や痛みがある場合は関節リウマチなど膠原病(こうげんびょう)の可能性があるのですがその症状はありませんでした

他にも足の関節や顔など全身の触診を始めた鈴木先生。すると顔を触診した時に顔の右側の額と頬に痛みがあるという事がわかったのです

 

そのため女性が痛みを訴えた顔面のCTとレントゲン撮影をすることに

30分後に検査の結果がでます 。するとCT検査の結果 右の副鼻腔に細菌感染による炎症が発生していて水が溜まっていたのです

しかし副鼻腔炎によって熱が出るのはわかるのですが腕や足に痛みが出るのは説明がつきません

そこで鈴木先生は血液中の炎症反応などがわかる詳しい血液検査を指示。その結果を踏まえて病気の正体を探ることにしたのです

女性の原因不明の熱の原因は「ガン」「膠原病」「感染症」「その他」と4つの考えがあったのですが今回の検査で「ガン」か「その他」に絞られました

 

 

・【原因不明の病は患者のある一言で解明することに!】

 

年が明けて2016年1月に2回目の診察が行われます

血液検査の結果はどこにも異常が出ませんでした。ガンの可能性も少ないと考えられました。残りの原因は「その他」ですが膨大な種類の病気が潜んでいることになります

そこで鈴木先生は「患者さんの訴えを引き出す」という原点に立ち返り問診を再開することに

「その後は熱は出ましたか?」「体重は減少しました?」など発熱のタイミングや痛みの出方などを繰り返しで問診します

そして「お腹なの調子はどうでしたか?」という質問の時に女性は「高熱の前後に腹痛が起こる」と答えたのです

腕や足に起こる痛みがひどく、症状が軽かった高熱時の腹痛は口にしなかったんですね

 

 

 鈴木先生は発熱時に腹痛が起こることから「自己炎症疾患」なのではないかと考えます

体の中にある炎症を起こすスイッチが勝手にオン・オフを繰り返してしまい、それが原因で発熱や痛みが起こる病です

自己炎症疾患の中にはいくつか種類があるのですが女性はその中の1つ「家族性地中海熱」ではないかと考えられました

聞きなれない名前の病気ですね。ヨーロッパで発見された周期的な発熱と全身の痛みを主な症状とする病です

この病の症状をコントロールしているのは体の細胞の奥深くに眠っている「遺伝子の異常」なのです。詳しいメカニズムはわかっていませんが目覚まし時計のように遺伝子が発熱のタイミングをセットしてある決まった日時になると高熱が出ると考えられているのです

 

家族性地中海熱の患者の中には毎月同じ時期に熱が出る人もいれば、今回の女性のようにバラバラのタイミングで熱が出る事もあるので周期だけでの判断するのは難しいとのこと

家族性地中海熱には全身の痛みも症状としてあるのですが中でも多いのが胸痛や腹痛でした

その結果 鈴木先生は

・周期的に起きる原因不明の高熱

・全身に現れる痛み

・高熱時の腹痛

という3つの症状から家族性地中海熱と導き出したのです

 

 

家族性地中海熱の治療にはコルヒチンという効果的な薬があります。 数か月間飲み続けて熱がでなければ家族性地中海熱の確定診断ができます

6週間後に女性の元を尋ねると症状は収まり最近はずっと熱も痛みも出ていないとのことでした

 

 

【まとめ】

 

 

決まった日にちに起こる発熱と全身の痛みの原因は家族性地中海熱という珍しい病気でした

今回のエピソードを聞いて肝心なのは医師にしっかりと病気の症状を詳しく伝えるということですね

もし腹痛の症状がないか?と鈴木先生が確認しなければ、鈴木先生が何とか解決しようと問診を粘らなければ原因不明のままずっと悩まされ続けたことでしょう

どんな些細なことでもいつもと違うことがあるのならしっかりと医師に伝えていきましょう