テレビで紹介された健康・美容のまとめ

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【みんなの家庭の医学】うつ病と診断された女性の本当の原因は心の病ではなかった!原因は体を守るはずの免疫細胞の暴走!

2016年3月22日に放送された「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」にて

うつ病と診断された女性、しかし原因は心ではなく免疫細胞の異常にあったというエピソードを紹介していました

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最近になって何をするのにもめんどくさくなる、人と会うのが辛くて外出するのも嫌などの気分が落ち込んで何の意欲もでないと悩んでいる・・・

その気分の落ち込みの最大の原因こそ「ストレス」です

仕事上のストレスはもちろんのこと、両親の介護などが気分の落ち込みを誘発している場合も多いようです

 

しかしそんな中には気分の落ち込みではなく、危険な病気が原因で気分が落ち込むことがあるとのこと

そう警鐘を鳴らすのは岡山県岡山市の岡山大学病院の精神科神経科助教の髙木学先生です

20年間も患者の声に親身に傾けてうつ病をはじめとする多くの患者を救ってきた高木先生

神経診察と呼ばれる微妙な身体の動きを観察して病を見つけ出す診察法で病を次々と見つけ出しているのです。心の病気だけでなく脳の中、神経の病気などの隠れている病気があるかを探すことが大事とのこと

 

今回番組では心の病と思いきや別の場所に原因があり九死に一生を得た女性のエピソードを紹介していました

 【うつ病と診断された女性の本当の原因は心の病ではなかった!】

 

 

49歳の女性Aさんは経理事務の仕事をしていました

そんなAさんに最初の異変が起きたのは週末の夜の事。喉の痛みを感じて37.3℃の微熱があったので市販薬を飲み様子を見ることにしました

週明けにはいつものように元気な姿に戻っていったAさん

しかし喉の痛みを感じてから2週間後にAさんは仕事で大失態を侵してしまいます

メールアドレスを取り違えて重要な見積もりを別の取引先にメールで送ってしまったのです

どうしてこんなミスを・・・自分でも信じられなかったAさんですが大失態はこれだけでは済みませんでした

 

更にその翌日には昼過ぎの勤務中に居眠りをしてしまいました

家に帰っても会社での不甲斐ない出来事に食欲がわきません。すっかりと元気がなくなったAさん

ある日の夜に旦那が帰宅した時の事、Aさんは部屋の電気もつけずに暗い部屋の中でぼーっとしていました

夕飯の支度もせずに時間の感覚もなくなっていたそうです

旦那は元気のない妻の様子を以前から気にしていたのですが、今回の電気をつけずに部屋の中にいた事をきっかけにメンタルクリニックへ連れていくことにします

仕事でミスをしたこと、症状、期間、生活の変化などの問診を終えてうつ病と診断されました

 

最初の診断のうつ病は抑うつ気分や不安、意欲の低下を特徴とする精神疾患です。主な原因は過剰なストレスで睡眠・食欲・感情に作用する神経伝達物質が減少し睡眠障害ややる気が出ないといった症状が起こるのです

 

 

・【うつ病と診断されて治療を試みるも・・・】

 

 

 

うつ病と診断されたAさんは抗うつ薬のみ仕事も治療に専念するためにしばらく休むことにします

夫の助けもありうつ病のための治療は良い感じに進んでいくと思われました

しかし薬を服用しても症状は一向に良くなりません

頭痛がして1日中寝た状態が続いたそうです。そんな日々が続いてAさんは結局退職することに

会社を辞めて10日後にAさんに大きな変化が訪れます。突然 笑顔を取り戻して気分が明るくなっていたのです

 

うつ病の薬が効いてきたのか仕事を辞めたのが良かったのかはわかりませんがとにかく明るくなったAさん

今まで引きこもりがちだったのが旦那さんと公園に行って楽しく振舞うまで回復していました

しかしその日の夜に驚くべき事態が起こります。Aさんはその日の昼間に散歩へ行った公園の事について記憶がなかったのです

旦那さんは背筋が凍る思いだったのとの事、そしてAさんの症状はこの日からとんでもない方向へとエスカレートしていくことになります

 

Aさんは「家の中にカラスが入ってきた」と幻覚を見るようになります

うつ病で幻覚を見ることがあるのか?と不安になったAさんの夫は脳神経外科に診察をしてもらうように行動します

MRIなどの精密検査を受けたのですが脳には特に異常はないと言われます

再びメンタルクリニックへ行き詳細を話したところ統合失調症の可能性があると診断されます

 

統合失調症はうつ病の次に多い精神疾患で患者数は約80万人とも言われています。気分の落ち込みだけでなく幻覚や妄想という症状があるのが特徴です

抗精神薬を処方され治療を始めたAさん、しかし薬を変えてから2週間後に再び異変が起こります

夫が帰宅すると真っ暗な部屋で電源のついていないテレビ叫ぶAさん、夫が話しかけるとAさんは「誰だお前!出て行けー!」と夫に向かって叫びます・・・

ようやくAさんが落ち着きを取り戻したのはそれから1時間後のことでした

 

 

・【心の病のスペシャリストが原因不明の病気の正体を解き明かす!】

 

 

ただ事ではないと感じた旦那さんは翌朝に再びメンタルクリニックへ連れていきました

そこで紹介されたのが心の病のスペシャリストである髙木先生のいる岡山大学病院です

 

Aさんに起きた出来事を聞いた髙木先生は記憶がなくなり幻覚を見る症状から認知症や脳腫瘍の可能性があると疑いました

しかし以前に撮影された脳のMRIの画像をみると異常は見当たりません

そこで髙木先生は病の正体を暴く最大の武器である神経診察を行います

ペンライトを使い目の動きをチェック、歩行状態のチェック、肘の動きもチェックしましたが異常はまったくありませんでした

うつ病や統合失調症の精神疾患なのか?と思いながらひざを動かした時にAさんに異変が起こります

Aさんは何かを口に含んでいるような動きをしたのです。先程まで無表情だった一瞬の口の動きを医師は見過ごしませんでした

神経診察の時に思いもよらない身体の動きが現れたのです。この瞬間に精神疾患の可能性は極端になくなりました

 

「カギを握っているのは脳」とそう考えた髙木先生は脳波を検査することにします。頭の表面に微量に流れ出ている電波を測定しMRIなどの画像検査ではわからない脳の異常を調べるというものでした

調べてみると脳波の波形は上下に波打ち大きく乱れていました。Aさんに起きた記憶障害や幻覚は異常な脳波による可能性が高いと判断されます

 しかし何が原因で脳波の異常が発生しているのかがわかりません

そこで何か他の症状はないか?と詳細を確認。そして病気の症状の前に熱が出たという部分で髙木先生は反応します

その場で体温を測るとAさんの体温は38℃になっていました。脳波の乱れと高熱があるという症状からある病気が思い当たった髙木先生

髙木先生はすぐにお腹のMRI検査をすることにします

 

 

・【精神疾患と考えられた病気の原因はお腹にあった!】

 

 

お腹のMRI検査に写ったのは左の卵巣よりも5倍以上に膨れ上がった右の卵巣でした。右の卵巣は巨大な腫瘍に犯されていたのです

Aさんを苦しめていた病気の正体は「卵巣奇形腫による自己免疫性脳炎」でした

 

 

卵巣奇形腫というのは卵巣にできる腫瘍の1つ。全卵巣腫瘍の20%から40%を占めていて良性の場合が多いそうです

通常は卵巣に腫瘍が出来ると体内に異物が入ってきたと判断した免疫細胞が攻撃して腫瘍を駆逐する事が多いのですが、まれに免疫細胞が 暴走し卵巣とはまったく関係のない場所を攻撃することがあるのです

Aさんの場合、免疫細胞が暴走を始めたきっかけは微熱を伴う風邪だったとかんがえられます

 

詳しい理由はわかりませんが風邪にによって免疫性細胞が暴走を開始、脳を攻撃していったと考えられます。これこそが自己免疫性脳炎です

暴走した免疫性細胞が攻撃したのは人間の意欲、感情、記憶などをコントロールする場所だったのです

その結果 気分が落ち込んだうつ状態が出たり、数時間前の記憶がなくなり、幻覚を見るなどの様々な状態が現れたのです

この病で厄介なのは脳の炎症がMRIで見つけられない場合が多いことです

 

心の病のスペシャリストである髙木先生は脳波の乱れと発熱を結びつけ卵巣の病を疑い画像診断、見事に病の正体を「自己免疫性脳炎」と明らかにしました

自己免疫性脳炎は2007年にアメリカで発見された新しい病。確定診断をするためには脳の髄液を調べて脳の炎症を確かめる必要があります。

日本でこの検査が出来る病院は秋田大学医学部附属病院と岡山大学病院だけです

日本国内では1000人ほどの患者が発見されていると推測されています。しかし今までうつ病や統合失調症と診断された患者の中にも潜在的な患者数は多いと考えられていて検査方法の確立に期待されているそうです

 

そのあとAさんはステロイドを点滴をして暴走してしまった免疫システムを清浄に戻し、婦人科にて卵巣奇形腫の摘出手術をしました

すると手術から6か月後には見事に元気を取り戻しました

 

 

 【まとめ】

 

 

医師も精神疾患と間違えてしまう原因は免疫細胞の暴走が原因というものでした

原因不明と診断されれば色々と病院を変えたりして検査しますが精神疾患だと診断されたら他の病気が潜んでいると考えないですからね

今回のAさんのように実はうつ病ではない、うつ病と間違えやすい女性に多い病気は他にもまだまだあるそうです

 

気分の落ち込み+手足の冷えが同時に出ると甲状腺機能低下症という病の可能性があります

甲状腺という首付近にある臓器から分泌される全身の新陳代謝を活発にするホルモンが何らかの原因で減少

その結果うつ病のように気分の落ち込みや代謝が下がることにより手足の冷えが症状として現れる病です

血液検査で甲状腺ホルモンを調べればこの病は見つける事が出来ます。どこの病院でも検査ができ甲状腺ホルモンを補う薬などで治療できるそうです

甲状腺の機能が良くなるとうつの症状が改善していった人も多いとのことでした

気持ちの落ち込みに加えて最近になって手足が冷えるようになった、昔よりも身体の冷えがひどくなったという方は要注意ですね

 

この病は気づかずにそのまま放置している人も多いので要注意とのこと、Aさんの病気の事もあるので気分の落ち込みがすべて精神疾患とは限らないとしっかりと覚えておきましょう