2016年2月23日に放送された「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」にて
手術不可能!余命1年!と言われたすい臓ガン患者は最新医療「ナノナイフ治療」でガンを撃退することに成功したというエピソードを紹介していました
すい臓ガンは周りに重要な血管が密接しているために手術が難しく手術不可能となることが珍しくないそうです
しかし最新の治療法「ナノナイフ治療」によって以前では手術不可能と言われたすい臓ガンを撃退できるようになってきたとのこと
すでに実際の患者で臨床研究が始まっていて数年以内には多くの方が受けられる希望の治療法になると考えられています
番組では実際に手術不可能で延命治療しかないと言われてしまった患者が最新の治療法ですい臓ガン手術を受けた方を紹介していました
【胃もたれが続くと思い病院へ行きすい臓ガンが判明】
Aさん(61歳)は半年前にすい臓ガンが判明
最初の違和感はは食事の後で胃もたれのような不快感だったそうです
「ちょっと胃もたれがするなぁ」といった感じで病院へ行かなくてはいけないというほどの痛みではなく、今まで大きな病気をしたことがなかったAさんは放置していました
しかしそんな胃もたれの症状が3週間も続いたのでAさんは近所の病院へ。検査の結果、胃は大丈夫だけれどもすい臓の中の消化液を流す管である「すい管」が少し広がっていてすい臓がんの可能性がると診断されます
すぐにすい臓ガンの可能性を調べる血液検査、3日後に結果が出たのですがすい臓がんの可能性がある数値が出たため紹介状をもらいすぐに総合病院へ
様々な精密検査を受けたAさんはすい臓に2cmほどのガンが発見されました
比較的発見が早かったことからひと月ほど抗癌剤治療でガンを小さくすれば手術して切除する事は可能だとその時は医師に言われました
【ガンを切除しようとしたら・・・手術不可能の事態に!】
抗がん剤治療を始めてひと月後、抗癌剤の効果がでて2cmほどのガンは小さくなり予定通りすい臓のガンを切除することに
手術はすい臓ガンと転移が疑われる胃や十二指腸の一部を切り取るというもの。10時間に及ぶ大手術が予定されていました
しかし自体は思わぬ方向へ転がってしまいます
お腹を開いてガンの状態を確認したところガンが予想以上に動脈に絡みついてしまっていたんです
こうした事態はすい臓ガン手術の現場ではしばしば起こる避けがたい現実とのこと
すい臓ガンは一般的なガンと異なってコブ状に成長するだけでなく触手が広がるように伸びていく性質があります
そのため抗がん剤などでガンの本体を小さくしても触手が血管にしつこく絡みついてお腹を開いて始めて手術が不可能とわかるケースが少なくないのです
【余命は1年・・・絶望の中で見つけた最新治療法】
この時点でAさんに残された道は抗癌剤による延命治療。期待できる効果を考えても命はもって1年という厳しい状況になりました
通院しながら抗がん治療を受け始めたAさん
Aさんには妻と2人の娘がいたのですが残された時間を少しでも幸せにしようと家族の前では明るく振舞っていたそうです
しかしAさんの妻は本当にもう方法はないのかとすい臓がんの治療法について調べていました。医学論文までより寄せて情報収集すること2週間、東京医科大学病院の森安史典先生の最新治療法と出会うことになります
Aさんは藁にもすがる思いで森安先生の元を訪れます。そして最新治療を受けるための主な条件を伝えられました
・すい臓の周囲にまで広がる進行ガンであること
・肝臓や肺などの臓器に転移がないこと
森安先生が率いる研究班によってガンの状態を入念に検査して検討したところ最新治療を受ける条件を満たしていることが判明
すい臓ガンで余命1年と言われたAさんが最新治療という希望を掴んだ瞬間でした
【手術不可能だったすい臓がんも撃退「ナノナイフ治療」】
Aさんが受ける最新医療、東京医科大学病院の森安史典先生が国内で唯一臨床研究を実施している治療法の名前は「ナノナイフ治療」というもの
ナノナイフとは長さ15cmほどの特殊な針がついた医療機器
針の先端から家庭用コンセントの30倍の3000ボルトの高圧で電流が流れる仕組みになっています
実際の治療では4本のナノナイフをガンを取り囲むように刺して針と針の間の計6通りの方向に通電させてガン全体に高圧の電流を行き渡らせます
するとその範囲内にある全てのガン細胞に10万分の1mmのナノサイズの穴が無数に空きガン細胞が死滅するのです
この時に血管や臓器の正常な細胞もダメージを受けてしまいます。しかし正常な細胞はガン細胞とは異なり1~2週間で再生します
よって血管に侵食して手術が困難と言われたガンの治療が可能なのです
これまでの研究データではナノナイフで治療した部分の再発率はたったの3%、平均余命は従来の倍の2年以上となり希望の治療法と呼ばれるようになりました
【実際にナノナイフ治療を受けた結果は・・・】
Aさんは3週間後のナノナイフ治療を具体的に医師から説明されました
Aさんが行うことになったのは「経皮的手術」というものでナノナイフを皮膚の上から刺しガンに到達させる手術法
体への負担が少ないのが特徴で3か月前にすい臓ガンの回復手術を受けたAさんには最適な方法でした
そしてナノナイフ治療手術が開始されます
ナノナイフを体に入れるときは数mmずれただけでも血管などを傷つけてしまう可能性があるので呼吸を一時的に止めて動きを最小限にするなどの慎重な手術がされていました
呼吸を止めていられるのは2分ということで丁寧に正確な腕が必要になるそうです
手術開始から1時間で4本すべてのナノナイフを体に入れることに成功、そして通電が開始されます。通電はコンピューターによる自動制御で心臓の鼓動に合わせて15分間で約500回の通電がされます
15分ですべての通電が完了。電流がガン全体に行き渡ったかが確認されて1時間30分ほどで手術は終了しました
・【ナノナイフ治療から2ヶ月後、気になる結果は・・・】
ナノナイフ治療手術を受けてから2ヶ月が経過、最終的な見極めが行われました
Aさんのすい臓の部分には生きたがん組織はない!との結果がでました
ナノナイフ治療によって大きな希望が生まれた瞬間でした
今後は再発や転移を防ぐための根治治療が行われていき経過を見ることになったAさんでした
【まとめ】
すい臓がんの撲滅が期待されるナノナイフ治療
2016年の4月からは東京医科大学病院に加えて都内の病院に新たに専門施設が設置されて2つの場所で臨床研究が実施予定とのこと
数年の内の保険適応に向けてさらなる研究が進められるそうです
手術不可能と言われたすい臓ガンが最新医療によって撃退することが出来る、医学の進歩はこれからも続き人々の命を守っていくのですね